蜂の駆除について

日本ではスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチという3種類の人を刺す蜂を見かけやすく、特にオオスズメバチは世界最強の蜂とも呼ばれます。 近年は減少傾向にあるものの、今でも年平均約25人が蜂の被害で亡くなるなど、その被害は決して無視できるものではありません。
身近な生物でありながら、大変恐ろしい生き物でもある蜂について、この記事ではその生態から、蜂や蜂の巣を見つけた時にどのようにすればよいか、刺された時にどのようにすれば良いかなどについて説明いたします。

蜂について

蜂駆除

蜂は人を刺すので怖い昆虫というイメージがありますが、蜂蜜を作ったり有害な害虫を食べたりする益虫でもあります。蜂はむやみに人間を襲うわけではありません。しかし警戒心が強く、同じ蜂同士で殺し合うほど、自分たちの巣を守るという防衛本能の強い生き物です。人間が蜂の巣に近づいたり触れようとすると、巣を守ろうとして攻撃をしてきます。蜂は敵が近づくと特殊な警戒フェロモンを撒き散らして仲間を呼び、大勢で攻撃をしてきます。
蜂は人目につきにくい場所に巣を作ることがあり、特に庭木の手入れをしている時に、意識せずに蜂の巣に近づいてしまい、蜂に刺激を与えてしまうことがあります。

蜂には様々な種類がおり、日本で見かけることが多いのは、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチです。スズメバチは16種、アシナガバチは7種、ミツバチは2種類が、それぞれ生息しています。

蜂の生態

蜂は春頃から活動を始めます。風雨をしのげる軒下や樹木などに巣を作り、スズメバチとアシナガバチの巣の寿命は1年だけです。
蜂の生態の中でも共通しているのは、翅が2対4枚あり、後ろの翅が前の翅より小さいことです。また顎が発達しているのですが、ミツバチなどの花蜂の場合は顎が小さく、花の蜜を吸うための器官が発達しています。メスの成虫には産卵管が発達しており、蜂の針というのは産卵管を毒針に変化させたものです。そして成長段階は、卵から幼虫、蛹、成虫という完全変態を行います。

社会性を持つ蜂

蜂は蟻と同じように社会的昆虫と呼ばれます。これは親が子の面倒を見るだけではなく、その子が大きくなっても共に生活をし、大きな集団を形成するというものです。この生活の場が蜂の巣ということになります。
蜂の社会はメスが中心で、女王蜂だけでなく働き蜂も全てメスとなります。女王蜂は最初はメスを生み続け、一定数を生むとオスを生みます。女王蜂は越冬しますが、それ以外の蜂は死滅するため、多くの蜂の巣は1年限りとなります。
蜂やアリなどの社会的昆虫という生き方は、大変大きな成功を収めており、陸上の動物の現存量の大きな部分を占めます。例えばブラジルの熱帯雨林の調査では蜂目とシロアリで昆虫の80%に達すると言われます。

蜂の益

蜂蜜の歴史は人類の歴史という諺があり、人類の最初の段階から、人間は蜂蜜を食料としてきました。現在、蜂蜜の生産量は世界全体で約120万トンと推定されています。
また蜂は植物を受粉させるのに大きな役割を占めています。蜂は世界の作物の1/3を受粉していると言われています。

蜂による害

その反面、蜂による人間への害としては、まず刺されるということがありますし、その大きな巣を自宅やベランダの軒下などに作られてしまい、日常生活に支障をきたすことがあります。

針で刺される

蜂に刺されるとズキズキと激しい痛みや発赤が生じたり、また一度刺されると体の中に蜂の毒の抗体ができてしまい、再び蜂に刺されたときにアナフィラキーショック(急性アレルギー反応)が蜂に刺されてから15分以内に起こり、全身の蕁麻疹や更新などのほか、症状が重くなると意識障害などの激しい全身症状が現れ、最悪の場合は命を脅かす事態ともなります。最も巣が大きくなる9月から10月頃に被害が増大し、年平均30人~40人の死者が出ています。

自宅や店に巣を作られる

蜂の巣は軒下などに作られることが多いですが、餌が豊富で、天候の影響を受けず、天敵に襲われる危険性がないところなら、どこにでも巣を作ります。そのため、気が付かないような場所にいつのまにか巣を作ってしまいます。蜂に襲われる危険が生じるために、その近くを通るたびに警戒をしなければいけなくなりますし、店舗などで商売をしている場合には大きな被害となります。

蜂の巣を見つけたときに

蜂駆除

蜂の巣は大きさがあり、今すぐにでも蜂に襲われてしまうという恐怖感にとらわれてしまうために、パニックに陥りがちです。自分の身を守るために、蜂の巣を見つけた時に注意をすることを確認しておきましょう。

蜂を刺激しない

蜂と遭遇してしまった場合に、手で激しく追い払うような動きをすると、蜂は一気に興奮状態となります。蜂は危険を察知すると警戒フェロモンを出して仲間を呼び寄せます。数十匹の蜂に襲われると人間もパニックに陥りますし、その際に人間の出す大きな音や激しい動きは、さらに蜂たちを興奮させ、攻撃を誘発してしまいます。
そのため、蜂が近づいてきたら、走ったり大きな声を出したりせず、静かに身を低くして、ゆっくりとその場を去るようにしましょう。

巣に振動を与えない

蜂の巣を見つけると棒などで突いてみたくなりますが、蜂の巣に振動を与えることは、どんな形であってもやめた方が良いです。攻撃性の低くなる時期であったり、おとなしい性格のミツバチであったとしても、巣に振動を与えられると、一気に攻撃をしてくる可能性があります。また戸の開閉や歩くときの振動などでも悪影響を及ぼしますので、気をつけてください。

蜂に刺されたときの対処方法

蜂駆除

蜂に刺された場合は、まず安全な場所に退避します。刺された場所から20メートル以上離れるか、室内などに静かに退避して、安全を確保します。
ミツバチの場合は、患部の毒針をピンセットでなどで抜いて、ポイズンリムーバーで毒を取り除いてください。刺された場所の周囲を指でつまんで毒を搾り出しながら、蜂の毒は水に溶けますので、5分から10分程度流水でよく洗い流します。毒を口で吸引すると、毒が口の中に入ってしまうので、そのやり方はしないようにします。刺された場所には抗ヒスタミン軟膏を塗ります。なお俗説でアンモニアや尿をかけると良いと言われますが、実際には効果はありません。
アナフィラキーショックによって急激に症状が悪化する場合もありますので救急車を呼びましょう。数十匹の蜂に一斉に襲われた場合も、救急車を呼んだ方が良いです。

蜂の駆除(蜂の巣の除去)について

蜂駆除

蜂の巣の駆除は、自分で行うやり方と、業者に依頼するやり方があります。やることはどちらも同じで、蜂の巣を見つけ、殺虫剤をかけて蜂を殺した後、蜂の巣を除去します。殺虫剤は市販のものもあります。
しかし、蜂に襲われた時の防護服の用意や、いざ蜂が群れで襲ってきた時にパニックに陥らないようにすること、また刺された時のポイズンリムーバーなどの用意のことを考えると、巣ができてしまった後に取り除くことは大変な作業となります。
蜂は死んだ後でも針の毒は有効であり、死骸を片付けるときにゴミ袋を突き出た蜂の針が刺さってしまったという事故もあり、蜂の死骸や巣を捨てることも大変です。
巣作りをさせないためにあらかじめ駆除剤を噴射しておいたり、営巣場所を失くしたりすることは大切なことではありますが、実際に巣を作られてしまった後は、蜂の駆除業者を呼んで取り除いてもらう方が、安全であると言えます。

Scroll Top

蜂の駆除について

蜂の駆除について

日本ではスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチという3種類の人を刺す蜂を見かけやすく、特にオオスズメバチは世界最強の蜂とも呼ばれます。 近年は減少傾向にあるものの、今でも年平均約25人が蜂の被害で亡くなるなど、その被害は決して無視できるものではありません。
身近な生物でありながら、大変恐ろしい生き物でもある蜂について、この記事ではその生態から、蜂や蜂の巣を見つけた時にどのようにすればよいか、刺された時にどのようにすれば良いかなどについて説明いたします。

蜂について

蜂駆除

蜂は人を刺すので怖い昆虫というイメージがありますが、蜂蜜を作ったり有害な害虫を食べたりする益虫でもあります。蜂はむやみに人間を襲うわけではありません。しかし警戒心が強く、同じ蜂同士で殺し合うほど、自分たちの巣を守るという防衛本能の強い生き物です。人間が蜂の巣に近づいたり触れようとすると、巣を守ろうとして攻撃をしてきます。蜂は敵が近づくと特殊な警戒フェロモンを撒き散らして仲間を呼び、大勢で攻撃をしてきます。
蜂は人目につきにくい場所に巣を作ることがあり、特に庭木の手入れをしている時に、意識せずに蜂の巣に近づいてしまい、蜂に刺激を与えてしまうことがあります。

蜂には様々な種類がおり、日本で見かけることが多いのは、スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチです。スズメバチは16種、アシナガバチは7種、ミツバチは2種類が、それぞれ生息しています。

蜂の生態

蜂は春頃から活動を始めます。風雨をしのげる軒下や樹木などに巣を作り、スズメバチとアシナガバチの巣の寿命は1年だけです。
蜂の生態の中でも共通しているのは、翅が2対4枚あり、後ろの翅が前の翅より小さいことです。また顎が発達しているのですが、ミツバチなどの花蜂の場合は顎が小さく、花の蜜を吸うための器官が発達しています。メスの成虫には産卵管が発達しており、蜂の針というのは産卵管を毒針に変化させたものです。そして成長段階は、卵から幼虫、蛹、成虫という完全変態を行います。

社会性を持つ蜂

蜂は蟻と同じように社会的昆虫と呼ばれます。これは親が子の面倒を見るだけではなく、その子が大きくなっても共に生活をし、大きな集団を形成するというものです。この生活の場が蜂の巣ということになります。
蜂の社会はメスが中心で、女王蜂だけでなく働き蜂も全てメスとなります。女王蜂は最初はメスを生み続け、一定数を生むとオスを生みます。女王蜂は越冬しますが、それ以外の蜂は死滅するため、多くの蜂の巣は1年限りとなります。
蜂やアリなどの社会的昆虫という生き方は、大変大きな成功を収めており、陸上の動物の現存量の大きな部分を占めます。例えばブラジルの熱帯雨林の調査では蜂目とシロアリで昆虫の80%に達すると言われます。

蜂の益

蜂蜜の歴史は人類の歴史という諺があり、人類の最初の段階から、人間は蜂蜜を食料としてきました。現在、蜂蜜の生産量は世界全体で約120万トンと推定されています。
また蜂は植物を受粉させるのに大きな役割を占めています。蜂は世界の作物の1/3を受粉していると言われています。

蜂による害

その反面、蜂による人間への害としては、まず刺されるということがありますし、その大きな巣を自宅やベランダの軒下などに作られてしまい、日常生活に支障をきたすことがあります。

針で刺される

蜂に刺されるとズキズキと激しい痛みや発赤が生じたり、また一度刺されると体の中に蜂の毒の抗体ができてしまい、再び蜂に刺されたときにアナフィラキーショック(急性アレルギー反応)が蜂に刺されてから15分以内に起こり、全身の蕁麻疹や更新などのほか、症状が重くなると意識障害などの激しい全身症状が現れ、最悪の場合は命を脅かす事態ともなります。最も巣が大きくなる9月から10月頃に被害が増大し、年平均30人~40人の死者が出ています。

自宅や店に巣を作られる

蜂の巣は軒下などに作られることが多いですが、餌が豊富で、天候の影響を受けず、天敵に襲われる危険性がないところなら、どこにでも巣を作ります。そのため、気が付かないような場所にいつのまにか巣を作ってしまいます。蜂に襲われる危険が生じるために、その近くを通るたびに警戒をしなければいけなくなりますし、店舗などで商売をしている場合には大きな被害となります。

蜂の巣を見つけたときに

蜂駆除

蜂の巣は大きさがあり、今すぐにでも蜂に襲われてしまうという恐怖感にとらわれてしまうために、パニックに陥りがちです。自分の身を守るために、蜂の巣を見つけた時に注意をすることを確認しておきましょう。

蜂を刺激しない

蜂と遭遇してしまった場合に、手で激しく追い払うような動きをすると、蜂は一気に興奮状態となります。蜂は危険を察知すると警戒フェロモンを出して仲間を呼び寄せます。数十匹の蜂に襲われると人間もパニックに陥りますし、その際に人間の出す大きな音や激しい動きは、さらに蜂たちを興奮させ、攻撃を誘発してしまいます。
そのため、蜂が近づいてきたら、走ったり大きな声を出したりせず、静かに身を低くして、ゆっくりとその場を去るようにしましょう。

巣に振動を与えない

蜂の巣を見つけると棒などで突いてみたくなりますが、蜂の巣に振動を与えることは、どんな形であってもやめた方が良いです。攻撃性の低くなる時期であったり、おとなしい性格のミツバチであったとしても、巣に振動を与えられると、一気に攻撃をしてくる可能性があります。また戸の開閉や歩くときの振動などでも悪影響を及ぼしますので、気をつけてください。

蜂に刺されたときの対処方法

蜂駆除

蜂に刺された場合は、まず安全な場所に退避します。刺された場所から20メートル以上離れるか、室内などに静かに退避して、安全を確保します。
ミツバチの場合は、患部の毒針をピンセットでなどで抜いて、ポイズンリムーバーで毒を取り除いてください。刺された場所の周囲を指でつまんで毒を搾り出しながら、蜂の毒は水に溶けますので、5分から10分程度流水でよく洗い流します。毒を口で吸引すると、毒が口の中に入ってしまうので、そのやり方はしないようにします。刺された場所には抗ヒスタミン軟膏を塗ります。なお俗説でアンモニアや尿をかけると良いと言われますが、実際には効果はありません。
アナフィラキーショックによって急激に症状が悪化する場合もありますので救急車を呼びましょう。数十匹の蜂に一斉に襲われた場合も、救急車を呼んだ方が良いです。

蜂の駆除(蜂の巣の除去)について

蜂駆除

蜂の巣の駆除は、自分で行うやり方と、業者に依頼するやり方があります。やることはどちらも同じで、蜂の巣を見つけ、殺虫剤をかけて蜂を殺した後、蜂の巣を除去します。殺虫剤は市販のものもあります。
しかし、蜂に襲われた時の防護服の用意や、いざ蜂が群れで襲ってきた時にパニックに陥らないようにすること、また刺された時のポイズンリムーバーなどの用意のことを考えると、巣ができてしまった後に取り除くことは大変な作業となります。
蜂は死んだ後でも針の毒は有効であり、死骸を片付けるときにゴミ袋を突き出た蜂の針が刺さってしまったという事故もあり、蜂の死骸や巣を捨てることも大変です。
巣作りをさせないためにあらかじめ駆除剤を噴射しておいたり、営巣場所を失くしたりすることは大切なことではありますが、実際に巣を作られてしまった後は、蜂の駆除業者を呼んで取り除いてもらう方が、安全であると言えます。

Scroll Top